その命、たったの1年と言われているアオリイカ。
短い一生ですが、1年で2kgや3kgと大型化するのもアオリイカの特徴です。
ちなみにメスよりもオスのほうが一般的には胴が長くなる傾向にあります。
そんなアオリイカですが、産卵を迎える季節が春とされています。
今回は春のアオリイカを狙うのにヒントとしているポイントを紹介していきます。
海藻が絡んだエリアを狙う
ずばりアオリイカのポイントは卵を植え付けるとされている海藻が絡んだポイントになります。
それもホンダワラやアマモです。中でもアマモは特に良いとされており、狙うならアマモが絡んだ釣り場を攻めるのがポイントです。
これがアマモになります。先日、須磨水族館に行ってきた時に撮影したものです。
そしてこのアマモは淡路島で多く見かける海藻になります。
アマモはどこにあるのか
アマモは砂地から生えていることが多く、海水浴場で泳いでいても見かけたことがあります。
【上記画像は須磨水族館に掲載されているもので下記はその引用です】
アマモは海から陸に上がって進化した種子植物が、また海に戻ることを選んだ食物だ。茎と根を砂の中にはりめぐらせて砂の動きを止め、アマモ場をつくる。
そのため、アマモ場の中は、流れが緩やかだ。プランクトンや死骸、うんちが自然と集まり、底にたまる。それらを食べ、砂の中でくらすゴカイ、葉の上を歩く巻貝、株の間で群れるアミなど、たくさんの小さな生きものたちのすみかとなる。大きな生きものにとっても、子どもを産み、大海原へ巣立つまでの幼い頃を過ごす「海のゆりかご」となっている。
淡路島は瀬戸内海に位置し、砂地の遠浅がも非常に多いエリアになります。
なので、エギを投げてアマモが引っ掛かってくるようなエリアはアオリイカが好んで寄ってくる可能性が高いと思ってOKです。ちなみに須磨水族館のアマモは淡路島の由良産とのこと。瀬戸内海側ではない大阪湾側でも生息しているのが分かりますね。
ちなみに防波堤から見て、アマモが生息していることを確認できることもあります。
アマモが無くなったら、アオリイカがいなくなるってことでしょうか?
続いてはアオリイカの産卵床とリリース規定の話をしていきます。
アオリイカの産卵場の提供とリリース規定
淡路島では漁協が沖合にアオリイカの産卵床を人工的に作っています。目的はアオリイカという資源の増大です。そのため、アオリイカのリリース規定が行われております。
(洲本市にある漁港に設置された看板の画像、劣化が進んでいます)
淡路島の防波堤に行けば、大概のエリアでは見かけられる看板です。内容は下記を参照ください。
〇南あわじ市は7月1日~9月20日の期間
〇淡路市・洲本市は7月1日~9月30日の期間
上記期間はアオリイカの産卵期のため、釣りあげた場合は速やかにリリースをお願いします。
〇胴長15cmに満たないものは速やかにリリースをお願いします。
(こちらの15cm以下というサイズの規定は通年)
ぼくがアオリイカをエギングで釣り始めたのは10年以上前の話になります。この頃は、特別にリリースのお願いの期間はありませんでした。そして、リリース規定にあるように7月8月も淡路島は産卵期の大型のアオリイカが釣れます。
春イカ、春イカと言いますが、5月よりも6月に釣果が出ることが多く、7月、8月には気温も高く熱いのですが過去に釣り上げたこともあります。
しかし、エギングは非常に人気のある釣り物で・・・
防波堤や沿岸で釣ったぐらいでは減らないのではないか?とも正直思います。ただ、そういう風に考えてみんながみんな釣りまくると、多少なりとアオリイカの個体数は将来において影響してくる可能性はあるでしょう。
ただし、アオリイカも釣れない年、よく釣れる年っていうのはあります。なので、一概に釣りまくっているから減ったとか・・・よりは気象条件やその他の影響も絶対にあります。
自由に釣りをして、アオリイカがいなくなりました。というよりは淡路島のように産卵期と胴長15cmに満たないサイズのリリースなどを一定の規定を設け、末永く釣りを楽しめるのであればぼくも賛成です。
そして、わざわざ書いてくれているのに、この時期にアオリイカを釣り上げてリリースしないと「釣り人はマナーが悪い」とか思われるのが嫌です。実際に「アオリイカをリリースしてくださいというお願い」なので、期間中に釣りを楽しんでも問題は無いでしょう。
そう、速やかにリリースすれば・・・誰からも文句はなさそうです。が、やっぱりアオリイカをエギなどで釣るとダメージを与えてしまうため、リリースを前提にするのなら釣りをしないほうが良いとぼくは考えています。
なので、実質ぼくがアオリイカを狙う時期も5-6月、秋は9月下旬~10月に入ってからというようになりました。
アオリイカにダメージと言っても、ヤエンで釣ったアオリイカや船からのティップランで釣ったアオリイカを船のイケスやスカリを使って活かしておいたこともあります。
意外かもしれませんが、全然死にません。ヤエンは刺さりどころが悪ければダメージが非常に大きいですが、エギの場合は逃がしても生きて海に帰っていく場合が多いでしょう。
ただし、防波堤などに個体をつけると水温よりも熱いのでやけどをしてのダメージが強い可能性はあります。
完全なる釣り禁止というわけではありませんが、ローカルルールとして淡路島には存在しています。
実は・・意外に知らない人が多いのが実情だと思ってます。
親イカの釣り方
では、淡路島のローカルルールをお話ししたところでアオリイカの親イカ狙いについてです。ぼくがこれまでに秋の子イカと言われる季節以外の春から初夏に釣り上げたポイントですが・・・。
7か所です。その内、〇〇漁港という名前が付く防波堤を含めたエリアでは6か所、それ以外で1か所です。
淡路島で漁港とく名前の場所が何か所あるのかは数えたことがありませんが、7か所はそこまで多くはないかもしれませんね。
ただ、この何十か所ではないのがポイントで、この7か所をこの場で公開したとしましょう。
次の休みの日にそのうちの1か所が10人行ってみるとします。するとたちまち釣り場が人であふれかえって、釣りができなくなる人が増えるでしょう。
そういう理由もあって、具体的な場所は公開しません。しかし、最初にお伝えしたように淡路島の親イカ狙いのキーは「アマモ」です。アマモがあるエリアを狙うのが釣るコツです。
そして、このアマモですが長い海藻になっており底までエギを沈めようとすると、たちまちアマモが引っ掛かります。アマモのあるエリアを釣るのですから、ほぼ引っ掛かるのを前提に釣りをするのですがコツがあります。
それは、シャロータイプのエギを使うことです。
シャロータイプのエギは沈下速度と言って、エギが沈んでいくスピードが通常のエギと比べて遅い作りになっています。それにより水深が浅いエリアでもしっかりとイカにアピールする時間を取れます。沈むのが早いエギだとすぐに沈んでアマモに掛かります。
と、言いながらもシャローで無くても藻場を攻めることは可能です。
次に試して欲しいのが、カウントダウンです。よくエギの沈下速度は1mで〇秒と書いているものが多いと思います。この沈下速度を把握して、水中をイメージしてみてください。
今投げたポイントで20秒沈めたら、藻に引っ掛かった。
じゃぁ、次は15秒にしよう。すると5秒間の沈下分の水深を浅くできます。
そして、エギをしゃくったあとのフォールの時間も同じように把握しておきます。
4秒で・・・だいたい1mぐらい沈んだかな?とかです。
だいたいでも考える癖を付けると、何の基準も無く釣りをしているのとでは長い期間を見ると大きな差が出るでしょう。
・藻場を攻める時は、海底までの水深をイメージして釣りをしよう!
・イメージのためのカウントダウンは親イカ攻略の近道です!
潮通しの良いポイントを狙う
そして、今回は藻が絡んだエリアは産卵場になりやすいのので釣り場としても成立すると話を進めました。ただし、藻場じゃなければ釣れないことはありません。
それは回遊ルートを狙った釣りです。防波堤の先端などで潮通しの良いエリアは、これはどこの防波堤の先端もが当てはまるといっても良いでしょう。潮通しの良いエリアの防波堤の先端からエギを潮に乗せて流すのです。有名な言葉になりますが、バックドリフト釣法です。
バックドリフト釣法とは、潮流を利用した釣り方です。エギをしゃくり、フォールさせるのは同じですが、フォールの時間やベールを起こしたフリーフォールで糸を出してやり沖へ沖へと遠くへエギを送っていく釣り方です。通常では狙えないエリアも視野に入れることができるほか、潮流のよどみにもエギを送りやすいです。潮流のよどみとは潮の流れがきつくなっている本流から少しよれた部分だったりします。この潮がゆるくなっているエリアは小魚も集まりやすく、アオリイカも捕食エリアになるとされています。
そして、潮がゆるくなったエリア以外にも潮の潮流に乗った回遊しているアオリイカも視野に入ります。この釣り方も面白くて、同じ場所で潮にエギを流して釣るだけで1日に数ハイ同じ場所で釣ったこともあります。
なので、アマモが探せない状況でも回遊ルート戦略で親イカを狙うこともできます。
さいごに
アオリイカを狙うポイントは淡路島は実際のところ多いです。
しかし、親イカを釣る期間(リリース規定)もあり短期間勝負になります。
その中でも特にココに行けば絶対に釣れる!という個所はありません。
藻場・潮通しの良い場所。それに加えて満月周りの大潮はアオリイカの釣果実績が高いのでお勧めです。そして早朝や夕方などのまずめ時。潮の変わり目など。複数の条件も組み合わせて行けば、さらに釣果に結びつく可能性は高まります。
この時期のアオリイカは秋と比べて個体数が絶対に少ないので、ランガンをする移動時間を使うよりは同じ場所で回遊や釣れる時合を待つ戦略を取ったほうが1パイに繋がると言えるでしょう。